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最近、スピリチュアルブームですよね。
私には、そんなことは起きないと思っていましたが、ちょっと信じられないことが起きました。
私の実家には60歳になる父がいたのです。それほど仲良しというわけでもなく、お盆に帰省して以来、連絡を4ヶ月以上とっていませんでした。
ソープランドで働いている私は、その日はお店に着いて、予約のお客さんの名前を見たのですが、その苗字が父親の旧姓だったのです。私の父は婿養子に来る前は「桟敷原」という苗字だったので、あまりない苗字だからちょっと驚きました。
その「桟敷原」さんはもちろん面識もないですし、父と関係もありません。
でも、個室に入って、しばらく話をしていると、妙に父と共通性があるのです。
吸っているたばこの銘柄が同じ(一般的には売られていない銘柄)、股引を2重ではいていることが同じ(小さい頃から格好悪いと思っていました)。そして服を脱ぐと背中にあるアザの位置が一致しているのです。単なる偶然の一致といえばそれまでですが、私は何かひっかかるものがあったのでお客さんに尋ねてみました。
「私の父も“桟敷原”っていうんですけど、私の父によく似ていますね。そのたばこも父がよく吸っていましたし、ほかにもね」と話を振ると、
「ふ~ん、そうなんだ。このたばこはたまたま人からもらって、吸うのは今日が初めてだし、股引も自分で脱いでみてビックリしたよ。今日はどういう手違いか2枚はいてるんだよね。おかしいなぁ……普通しないよね。それとアザのことなんだけど、アザなんて背中になかったけどな、おかしいね」
と逆にびっくりしていました。
こんなこともあるのかぁ、と不思議な気分で、そのお客さんとは別れました。
そして続いてフリーのお客さんがついたのです。
その人は、父よりぜんぜん年齢が若く雰囲気もまったく違うのですが、口調がとても父に似ていて、なんでこんなに年寄りくさいしゃべり方をするのだろうと思っていました。
語尾の微妙なニュアンスがそっくりで、くしゃみをしたときに「ぐしょん、のののおぉ」
と意味不明の音をつけるところがまったくいっしょです。
2人も続けて、あからさまに父を連想させる人たちが続くなんて、あまりにも不思議で「もしや」と思い、家に電話をかけてみましたが、お父さんは何でもないということ。
ただの偶然だったんだ、ということで解決しました。
ところが、その1週間後。
母から突然「父がなくなったという」連絡がありました。くも膜下出血で倒れて数時間後には息をひきとったそうです。
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